関東地方は梅雨入りしたようですね。二十四節気では今日から芒種(ぼうしゅ)に入りました。「芒」とはイネ科の植物の実にあるトゲのような突起のことで、この時期に水田に水を張って、田植えをすることから名づけられました。まさに水に関わりの強い時期に突入です。
よく漢方相談で「水分はどのくらい摂るのが良いですか?」という質問を受けます。「1日に〇リットル」という健康法がある影響のせいなのか「あまり水分が摂れていなくて」と感じている方も多いようです。
適切な水分量は実は一人ひとり異なります。また、その日、どのような活動をしているかで変わってきます。
さらに、その人の胃腸の状態にもよって変わります。胃腸は体内の水分を運ぶ役割を担っています。胃腸の弱い方が喉の渇きにまかせて水分を摂ってしまうと、さらに胃腸が疲れて弱りやすくなるので注意が必要です。
漢方相談にいらしたお客様には適切な水分量の目安として「お小水の量と色」をみていただくことをおすすめしています。量が多くて色が薄い時は体に水分が十分あることをあらわします。こういう時は水分摂取を控えめにします。
逆に、量が少なくて色が濃い時には水分が不足している可能性が高いです。このようなときは水分摂取を心がけます。ただし、まとめてガブガブ飲むのではなく、少しずつ回数を増やすと良いです。
なぜなら1度に吸収できる水分は限られているからです。食事でお味噌汁やスープなどの量が多い時はその分減らして調整すると良いですね。また味の濃いものを食べると喉が渇きやすくなり、水分過剰に傾きやすくなります。これから気温が高くなって汗をかきやすくなる時期までは、なるべく薄味を心掛けることも大切なポイントです。
これからしばらくは雨の日が続き、湿度が高くなることが予想されます。体の中が水分過剰で水たまりができていると、体の外の水分を呼び込みやすくなります。また、締め付けられるような重い感じの頭痛や下痢、むくみなどの症状が起きやすくなります。水分量を適切に調整することで、梅雨の時期を少しでも快適に過ごすことができれば良いですね。
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